研究課題
本研究では,次世代燃焼器への応用が期待される燃焼形態であるデトネーション燃焼の中でも液滴を含む気液二相デトネーションに関して,その伝播機構の解明 と液滴及びデトネーションのパラメータを用いた伝播特性を整理する事を目指している.本年度(2021年度)は液滴の挙動を精度良く再現する事ができるEulerian-Lagrangian手法に基づく二次元数値解析によって,初期液滴直径に分布を有する水液滴群を含む気液二相デトネーションにおける伝播特性と液滴挙動の解析を実施した.水液滴群を含む気液二相デトネーションにおける液滴の分裂挙動を詳細に分析することにより,先頭衝撃波通過後の状態量を用いて衝撃波誘起流れにおける液滴分裂の経験式から分裂後の液滴直径は同一であると予測されるが,分裂終了後の液滴直径が初期液滴直径ごとに変化する事を確認した.また,初期直径の増加に伴い分裂に要する時間が増加した事で先頭衝撃波波面と比較して分裂が完了した地点における動圧の変化が大きい事に起因していると特定した.さらに,衝撃波誘起流れにおける液滴分裂の経験式に先頭波面位置と分裂終了位置における平均の動圧を用いる事で,デトネーション波面背後における分裂時間と分裂後の液滴直径を精度良く評価できる事を明らかにした.液滴の分裂時間と分裂後の液滴直径の予測精度の平均値に関して,既存手法での予測値の平均値はそれぞれ220%と414%に対して,本提案手法での予測値の平均値はそれぞれ105%と140%となり予測精度は向上した.
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