本研究では,燃料極材料である多孔質NiO-8YSZを電解質材料である緻密質3YSZでサンドイッチした全セラミックス型改良4点曲げ試験片を作製し,室温におけるSOFC燃料極/電解質間の界面破壊靭性値を評価した.ばらつきを把握するためワイブルプロットを作成した結果,単体材料の場合と比較してワイブル係数は小さく,界面破壊靭性値のばらつきは大きいことが分かった.次に,試験片を還元処理し燃料極材料をNi-8YSZとした結果,界面破壊靭性値は低下する傾向にあることが分かった. SOFCの研究・開発では,構造・熱・流体・電気化学などを連成した高度なシミュレーションによるセル内部応力の推定が行われており,本研究により得られた界面破壊靭性値は,界面剥離が発生するか判断するための基礎的なデータとして活用することが期待できる.
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