研究課題/領域番号 |
20K22430
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0303:土木工学、社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊東山 登 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任助教 (50881215)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
キーワード | 高エネルギー物質 / 気相デトネーション / 反応速度論 / 推進剤 |
研究成果の概要 |
高エネルギー物質であるアンモニウムジニトラミド(ADN)およびADN系高エネルギー密度推進剤であるADN-EILPsに対し,高い取扱性を担保すべく,甚大なリスクを伴うハザードの一つとして考えられる爆轟現象に注目し,これらの気相爆轟特性の基礎的理解を行った.ADNおよびADN-EILPsの分解ガスの初期状態を計算的に検証し,圧力環境により組成が変化することを見出した.0次元・1次元の反応シミュレーションから,ADNおよびADN-EILPsの分解ガスが取りうる気相爆轟特性を明らかにし,固液状態ではよりエネルギ感度が低いとされるADN-EILPsの方がADNに比べ,気相爆轟性が高いことが示唆された.
|
自由記述の分野 |
安全工学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は昨今利用拡大や新規開発が進む高エネルギー物質(特にADN)とその推進剤に対して随伴する取扱時の安全性確保に資するものである.特に,ADNは単体では衝撃・摩擦といった外的エネルギに対して非常に感度が高い反面、イオン液体化させたADN-EILPsではこれらが鈍化するため,高いエネルギー密度と高い取扱性の両立が可能であるという関係がこれまで知られていた.しかしながら本研究が指し示した気相爆轟特性の関係は,これに反する結果となり,取扱時の最小化を目指すにあたり,ハザードシナリオのさらなる拡大の必要性が示唆された.また,本研究で得られた知見は他のADN系推進剤にも十分応用可能なものである.
|