本研究では全国の住宅やその居住者に対してフィールド調査を展開し、2020・2021年度の2年間合計で約200世帯の調査を完了した。住環境の指標として温熱環境・空気質・カビを、健康指標として循環機能・呼吸機能等を測定し、併せて住宅性能や個人属性等に関するアンケート調査のデータを得た。 2020年度に調査を実施した132世帯231名の分析から、冬の寝室室温の日較差が大きい(室温が不安定な)住宅や室内化学物質のStyreneの濃度が高い住宅の居住者は血圧が高いという有意な関連を得た。また木の香り成分であるα-Pinene濃度が高い住宅に住んでいる居住者は呼吸機能が良好に保たれる可能性が示された。
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