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2021 年度 実施状況報告書

亜鉛皮膜の限界腐食量に基づいたコンクリート中の溶融亜鉛めっき鉄筋の耐久性評価

研究課題

研究課題/領域番号 20K22447
研究機関東京理科大学

研究代表者

チェ ホンボク  東京理科大学, 理工学部建築学科, 助教 (60876077)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2023-03-31
キーワード溶融亜鉛めっき鉄筋 / 付着強度 / コンクリート品質 / 圧縮強度 / 単位水量 / 水セメント比 / 終局加重時変位 / 初期付着応力度
研究実績の概要

溶融亜鉛めっき鉄筋の耐久性を検討するにおいて、健全状態のめっき鉄筋が有する付着性能に対する影響因子は十分に整理されていないのが現状である。亜鉛皮膜の膜厚は約100~150μmであるが、部位によって膜厚のばらつきが存在し、節部付近の膜厚が平滑部に比べ大きいため、普通鉄筋に比べ滑らかな節形状になりやすく十分な付着力を発揮しないことが懸念される。コンクリートの圧縮強度が高い、水セメント比が低いなどの条件によっては十分な付着力を示す結果も多数報告されているが、めっき鉄筋の付着機構は未だ不明な点が残っている。そこで本研究では、健全状態のめっき鉄筋を対象に、めっき鉄筋の付着力に影響する要因としてコンクリート品質(圧縮強度、水セメント比、単位水量)及び節形状(クロス節、竹節)の違いが及ぼす付着挙動の解明を目的とする。
本研究で得られた知見を以下に示す。①最大付着応力度と圧縮強度は正の関係にあり、同等の圧縮強度における最大付着応力度は竹節がクロス節に比べ1.18倍大きいことを確認した。②0.002D時付着応力度と最大付着応力度には正の関係が確認された。かつ、0.002D時以前の付着応力度を用いても最大付着応力度の予測は可能であることを確認した。③単位水量の増加に伴い最大付着応力度の減少、最大付着応力度時変形の増加が見られ、竹節を用いるとクロス節に比べ安定した付着力が確保できることが確認できた。④最大付着応力度と最大付着応力度時変形は負の関係にあり、めっき鉄筋が付着不良になると付着応力度の低下のみならず最大付着応力度時変形も増加するため、付着力の確保には変形の検討も必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度の実験は、腐食していない健全状態の亜鉛めっき鉄筋を対象とした付着実験を主として行いました。このため、腐食している溶融亜鉛めっき鉄筋の付着挙動および耐久性能に関する評価は検討時間が不足していました。この点を踏まえ、2022年度には腐食した溶融亜鉛めっき鉄筋を対象とする実験および分析を進める予定です。

今後の研究の推進方策

健全状態における溶融亜鉛めっき鉄筋が有する付着性能がコンクリート品質によって変化することを確認できた点や、2022年度に実施予定の腐食状態における溶融亜鉛めっき鉄筋の付着性能を解明できたら、コンクリート品質や亜鉛皮膜損傷量などを指標とする亜鉛めっき鉄筋の付着力予測モデルを検討することが今後の研究推進対策です。なお、健全状態のめっき鉄筋においてコンクリート品質の範囲を増やした追加実験も考えており、既存の普通鉄筋が有する付着性能や耐久性能と同等以上にめっき鉄筋を有効使用できる範囲を明瞭化する予定です。

次年度使用額が生じた理由

論文投稿料として計画していた予算が残額となり、2021年度は投稿時期に間に合わなかったため、次年度(2022年度)に予算を執行することにしました。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Bond Behavior of Hot-dip Galvanized Steel Rebar2022

    • 著者名/発表者名
      Hongbok Choe, Hideyuki Kinugasa, Manabu Kanematsu
    • 学会等名
      International Conference on Regeneration and Conservation of Structures (ICRCS2022)
    • 国際学会
  • [学会発表] 付着が不利な条件の梁部材における溶融亜鉛めっき鉄筋の付着性状評価2021

    • 著者名/発表者名
      崔ホンボク、向井智久、工藤陸、兼松学、野口貴文、衣笠秀行
    • 学会等名
      2021年度日本建築学会大会(東海)学術講演会

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公開日: 2022-12-28  

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