1.人間の行動(代謝量)と心理量を加味しながら放射温度を含めた温熱環境を計測するウエアラブルデバイスの開発 従来では難しかった移動を伴った人体の近傍における不均一・非定常な温熱環境の測定と評価を行うことを目的として,空気温度・相対湿度・照度・風速・放射温度を計測するウエアラブルセンサを開発した.放射温度は長波だけではなく,短波に拡張したセンサをシステムに組み込んだ.短波放射量を計測するセンサの計測範囲に限度があり,直達光がセンサに照射する角度によって短波放射量に誤差が生じる.マイコンで処理できるよう短波長センサの数量を上下の2箇所に制限したが,屋外で使用するためには方位や時間等によってチューニングが必要である.実測の際にスマートフォンを用いることが障壁になったため,LTE回線や無線LANによる通信回線を用いて空気温度・相対湿度・照度・風速・放射温度・加速度などの物理環境測定値と位置情報ならびに心理量を取得するシステムも構築した.通信回線と位置情報のチップの位置により電波の干渉が確認されたため,基板及び筐体デザインを含めて再度検証する必要がある. 2.緑道における不均一・非定常な温熱環境の評価 外環境を対象に,空気温度・相対湿度・照度・風速・放射温度の計測および空間の印象評価(心理量)と熱的快適性の調査を行った.アイカメラを用いて視覚の物理情報も取得し,空間にいる被験者の快・不快感の発生条件に対して評価を行った.
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