本研究では,自然界に存在する結晶構造や共鳴器構造を単位格子とした周期構造を設計し,有限要素法解析や実験的検討によりその垂直入射吸音特性を検討した.実験的検討では,3Dプリンターで実際に設計構造を造形し,音響管を用いて垂直入射吸音率を測定した. これらの結果より,単位格子のパラメータチューニングにより,様々な吸音特性を実現できることが示唆された.また,孔部にグリッドを付けた共鳴器を単位格子とすることで,低・中周波数帯域で安定した吸音特性をもつことがわかった.以上の知見より,提案構造は,状況に応じた所望の特性をもつ吸音材となり得ることが示唆された.
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