本研究ではp型Sn2M2O7における酸素欠陥生成を調べた。Sn2M2O7はSn4O四面体とMO6八面体の部分構造から成るが、酸素欠陥は主にSn4O四面体で生じていることを示した。また、Sn2Ta2O7ではTaO6側で構造歪みを許容するためSn4O四面体構造が維持される一方で、Sn2Nb2O7ではNbO6八面体が堅牢でSn4O四面体に欠陥が生じることを明らかとした。このような欠陥生成の違いはNbとTaの有効核電荷Zeffの違いに起因すると考えられ、これらの結果はより高いZeffを持つSbやBi元素をMサイトに選択することで高い正孔生成効率を実現できるものと期待されることを示している。
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