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2020 年度 実施状況報告書

波長分散型軟X線吸収分光法による固液界面における光触媒反応のリアルタイム観察

研究課題

研究課題/領域番号 20K22475
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

阪田 薫穂  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 博士研究員 (80514215)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード軟X線吸収分光 / 光触媒 / 電気化学反応 / 固液界面 / リアルタイム測定
研究実績の概要

蛍光収量による波長分散型軟X線吸収分光法を用いることにより、半導体光触媒と溶液の 界面近傍における吸収スペクトルを、触媒の動作中に秒オーダーの時間分解能で連続測定(リアルタイム測定)する研究を行っている。本研究を通して、半導体光触媒表面の原子レベルでの形状と触媒活性の相関についての知見を得ることを目指している。
本年度は、電気化学反応中の触媒反応を光照射下で観察できるセルを作製した。試料セル部分には、対極(Pt)、および参照極を組み込み、電解質溶液や紫外光等を導入できるようにした。さらに、試料セルに設置しているX線導入用の薄膜SiN窓材の上に、光触媒電極を直接積層して作用電極とし、溶液と触媒の界面近傍の蛍光X線を観察できるような構造とした。このセルを用いて、動作確認として、水の電気分解(電位を掃引して作用電極(陽極)のPt電極上で酸素発生)を行い、X線吸収分光法による測定を行ったところ、電位掃引に対応して、水溶液中の電極表面近傍で生じた酸素のL吸収端のピークが増減するのをリアルタイムで観察することができた。
今後、作用電極として薄膜SiN窓材に光触媒を担持し、電位変化や光の照射によって触媒層や固液界面で電子状態がどのように変化するか解析することを目標としている。波長分散型軟X線吸収分光法では、均一に担持した薄膜試料が必要であるため、現在、ゾルゲル法やスパッタ蒸着法によるSiN窓材上へのTiO2薄膜試料作成、および表面状態の物性評価等の検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、波長分散型X線吸収分光の装置で用いるための電気化学セルの作製を完了した。動作確認として、電位を掃引して作用電極(陽極)のPt電極上で酸素発生を行い、X線吸収分光法による測定を行うことができた。また、均一に担持した半導体光触媒の薄膜試料が必要であるため、目下、検討を進めている。

今後の研究の推進方策

表面状態の異なる半導体光触媒薄膜の試料を準備し、波長分散型軟X線吸収分光法を用いて、電位変化や光の照射によって光触媒表面および固液界面での電子状態がどのように変化するか研究を行う。

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公開日: 2021-12-27  

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