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2020 年度 実施状況報告書

MIMメタマテリアル構造を応用したサブナノメートル分解能を有する潤滑膜厚センサ

研究課題

研究課題/領域番号 20K22477
研究機関東北大学

研究代表者

岡谷 泰佑  東北大学, 工学研究科, 助教 (80881854)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワードメタマテリアル / 潤滑膜厚センサ / 表面プラズモン / 金属ナノドットアレイ / トライボロジー
研究実績の概要

本研究では,センサ表面の金属ナノドットアレイと接触対象の金属表面が構成するMIMメタマテリアル構造を応用して,センサ表面と金属表面の間に介在する潤滑膜厚を計測する.従来の光干渉型が膜厚を光路差として計測してきたのに対し,本研究で提案する手法は金属ナノドットアレイと接触対象となる金属の間で相互作用する表面プラズモンの共振効果を利用する.したがって,接触対象としては金属に限られるものの,光路差として計測するには難しかった小さな膜厚ほど,本研究で提案する手法ではより高い分解能で計測できる可能性がある.サブナノスケールの超薄膜領域ほど強みを持つという光学的な膜厚計測手法は従来にない本研究独自の着眼点である.サブナノスケールの潤滑膜を制御した状態での摩擦時の挙動は未だ明らかにされておらず,本研究で提案する潤滑膜厚センサはトライボロジーにおける新たな計測手法を与えるものと期待される.
初年度は、金属ナノドットアレイが示す共振波長変化から潤滑膜厚変化を求める計測原理をRCWA(Rigorous Coupled-Wave Analysis)法を使ったシミュレーションにより検証し,学会発表を行った,また,電子線描画装置等を用いた微細加工によりセンサ素子を試作した.サブナノメートルの位置精度で動作可能なピエゾアクチュエータを含む実験セットアップを構築し,センサ表面と接触対象となる金属表面の間の潤滑膜厚を制御しながらセンサ分解能の評価を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

RCWA(Rigorous Coupled-Wave Analysis)法を使ったシミュレーションにより,本研究で提案する金属ナノドットアレイが示す共振波長変化から潤滑膜厚変化を求める計測法は、潤滑膜厚が30 nm以下の領域で従来の光干渉法よりも高感度になることが確認できた。mまた、東北大学で所有する電子線描画装置等を用いた微細加工により、提案する金属ナノドットアレイが作製できたことを走査型電子顕微鏡により確認できた。0.1 nmの位置精度で動作可能なピエゾアクチュエータを含む力―変位―光学特性を同時に計則可能な実験セットアップを構築し,センサ表面と接触対象となる金属表面の間の潤滑膜厚を制御しながらセンサ分解能の評価を行うことができている。以上より、本研究は順調に進展しているといえる.

今後の研究の推進方策

メタマテリアル上にSiO2膜を成膜したサンプルを用いて、金属球―潤滑膜厚+SiO2膜―金属ナノドットアレイが構成するMIMメタマテリアル構造の光学特性を計測する。そのために、金属球とサンプル間の摺動速度を変えることで、任意の潤滑膜厚に対する光学特性を計測できるような実験セットアップを構築する。各潤滑膜厚に相当する条件で実験を行い、センサ出力から得られた潤滑膜厚と摺動速度の関係について明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

購入予定だった備品費用を当該助成金から捻出する必要がなくなったため、その分がプラスとなった。一方、サンプル製作回数は当初予定よりも大幅に増やすことができ、その他の微細加工に関する設備使用料として増加した。次年度予定額は、予定通り今後構築する実験セットアップの作製費用に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Metal-Insulator-Metalメタマテリアル構造を応用した潤滑膜厚計測法の検討2021

    • 著者名/発表者名
      岡谷泰佑、金森義明
    • 学会等名
      第68回応用物理学会春季学術講演会

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公開日: 2021-12-27  

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