研究課題
2.45 GHzマイクロ波プラズマが誘起する反応場を利用した新規手法により、市販酸化タングステン (WO3) 粒子及びポリスチレン (PS) 粒子の混合物を原料とし、WO2.9-W18O49(準安定相)/カーボン複合粒子のin-situ合成に成功した。得られたWO2.9-W18O49/カーボン複合粒子は、紫外-可視-近赤外域 (200-850 nm) で幅広い光吸収を示し、Tauc plot及びのFBポテンシャル (Mott-Schottky plot) からWO2.9、W18O49のバンド構造を推定した。Nyquist/Bode plot及びCV測定(Randles-Sevcik式)を含む電気化学的特性評価により、未処理WO3に比べて複合粒子の電荷移動抵抗は25 %低下し、約8倍の電子寿命、2倍の有効電極面積を有することが明らかになった。近赤外光照射下での水質汚染色素(ローダミンB:RhB)の光触媒分解性能を評価した結果、複合粒子は優れた性能(180分以内にRhBの80%が分解)を示すことが確認された。また、不活性なWO3の分解速度(<1.0×10-5 min-1)に比べて2桁以上高い分解速度(6.6×10-3 min-1)を示した。さらに、犠牲剤添加による活性種特定により、強い酸化力を有する・O2-/・OHの生成が光触媒分解に寄与することが明らかとなった。また、近赤外光照射下における電子移動速度は約9倍増加するとともに、光電流値が2桁以上増加したことから、WO2.9-W18O49のホモ接合は光励起種(電子-正孔対)の空間的分離による著しい再結合抑制に寄与することが示唆された。一方で、カーボンはRhB分子の吸着材として良好な機能を発揮することがわかった。
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Applied Surface Science
巻: - (In Press) ページ: 160280
10.1016/j.apsusc.2024.160280
Material Research Bulletin
巻: - (Under Review) ページ: -