アミロイド線維はアルツハイマー病を代表とする神経変性疾患の原因物質である。これまでに、これらの疾患発症の前兆として微量な線維核が血中に存在することが示唆されており、これを検出することが早期診断につながると考えられている。この研究では、超音波照射法がこの線維核検出過程において及ぼす影響を調査した。独自の超音波照射装置を構築して得られた実験結果は、超音波照射法がこれまでに使用されてきた振とう法と比べて優れた線維核検出能を示すことを明らかにした。またその機構に関しても議論を行い、超音波により水中に発生する小さな気泡が重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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