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2021 年度 実施状況報告書

異種移植による末梢神経をターゲットとした新たな麻痺治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K22496
研究機関名古屋大学

研究代表者

佐伯 総太  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (30878327)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2023-03-31
キーワード異種移植 / 末梢神経 / 再生医療
研究実績の概要

神経変性疾患や脊髄損傷などの運動ニューロン疾患における不可逆的な筋委縮に対して、申請者のグループは末梢神経を治療のターゲットとして注目し、治療法の開発を進めてきた。
動物実験において神経幹細胞移植により脱神経筋を再支配し、電気刺激でコントロールする技術をすでに確立している。今後その技術を発展させ、ブタ胎児由来神経幹細胞を異種移植源として、脱神経筋の再支配を行う新たな運動麻痺の治療法の開発を目指している。
そのためにまずは、ブタ胎児由来神経幹細胞を末梢神経へ移植するための至適な採取時期を確定し、移植条件を最適化する必要がある。例えば、胎児ラットの脊髄では胎生14日目が最も神経細胞の分化が進む時期でありこの時期に神経細胞を採取し末梢神経に移植することで脱神経筋の神経再支配効果が得られることが分かっている。しかし、ブタの至適な採取時期や、末梢神経へ異種移植した場合の神経細胞の分化、神経再支配効果は分かっていない。そのため、本研究で異種移植源としてのブタ神経幹細胞の至適な採取時期を決定することを目的とする。
初年度はブタ胎児由来神経幹細胞の分離方法、細胞の調整方法を確立し、ラットの末梢神経内に移植しブタ由来の神経細胞を生着させることに成功した。ブタの胎児の採取時期を変えて実験を繰り返したところ、妊娠27日の胎児を使用した実験では運動機能の回復と神経筋接合部の再生も確認できた。胎児の採取時期による移植成績の違いが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ブタ胎児の採取時期の違いによる移植成績の違いが確認できたため。
ブタの胎児採取、脊髄の取り出し、細胞分離などの一連の手技が確立できたため

今後の研究の推進方策

今後は免疫学的要素も検討し、細胞の生着率を改善し、さらに移植成績の向上を目指す予定。今後ブタの胎児のレシピエントをヌードラットだけではなく異なる免疫学的な背景の動物、例えば通常のF344ラットや同種であるブタの末梢神経へも移植を行う予定。

次年度使用額が生じた理由

細胞移植から評価までの一連の実験の工程が多く、新型コロナウイルスの影響もあり予定よりも実験の回数が多くできなかったため。
次年度もブタ、ラットの動物を購入し細胞移植を行う予定。それに伴い培地や細胞分散液などの試薬も購入し、さらに組織学的評価のための抗体などの試薬も購入して移植後の評価を行う予定。免へ疫状態の介入のため、免疫抑制剤も購入する予定。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 異種移植による麻痺治療におけるブタの胎齢の影響2022

    • 著者名/発表者名
      佐伯総太
    • 学会等名
      第65回日本手外科学会学術集会
  • [学会発表] 異種移植による新たな麻痺治療法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      佐伯総太
    • 学会等名
      第64回日本手外科学会学術集会
  • [学会発表] 異種移植による新たな麻痺治療法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      佐伯総太
    • 学会等名
      第36日本整形外科学会基礎学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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