本研究は令和2年度中途から開始された右心カテーテル検査と心エコー図画像を用いた多施設共同研究であり、昨年度末までに順天堂大学における倫理委員会を通過し、解析用ソフトウェアの構築などを行い、研究体制を整えた。また共同研究機関における倫理委員会審査通過を経て、データを実際に順天堂大学のコアラボに輸送する工程を行い、解析が開始できるように準備を進めた。また、心エコー解析の前段階として小型機を用いた試作研究をする上で、遠隔モニタリングに関する論文を一報、運動による心内圧変化に関する論文を一報作成した。本研究は後ろ向き症例によって構成されるトレーニングセットを用いて作成したマシンラーニングモデルを、前向き症例によって構成されるテストセットによって評価するという構想であったが、新型コロナウイルス感染症の流行のため、右心カテーテル検査を受ける症例数が極端に減ってしまったため、前向きに患者を登録することが難しくなった。そのため、前向き患者登録を中止して、後ろ向きのデータセットを時系列によって分割することでテストセットとして使用する計画を進めている。進捗状況として、令和3年度を通じて、スペックルトラッキング法を用いた心エコー図のストレイン解析を行ったが、新型コロナウイルス感染症による研究者の作業時間の短縮や、作業人数の制限があり、思うように計画通りの解析が進んでいない現状である。そのため、令和4年度も引き続きストレイン解析を行っていく計画としている。解析が終わり次第、マシンラーニングモデル作成、統計解析、学会発表、論文作成を進めていく予定である。
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