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2020 年度 実施状況報告書

薬剤徐放化に向けた環境応答性階層化ナノコンポジットゲル微粒子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K22526
研究機関信州大学

研究代表者

湊 遥香  信州大学, 繊維学部, 研究員 (80878512)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード高分子微粒子 / ゲル微粒子 / 刺激応答性 / コンポジット / 微粒子合成
研究実績の概要

階層化ナノコンポジットゲル微粒子を作製するにあたり、まず、ゲル微粒子内部に荷電基が階層的に配置した新規コアシェル型ゲル微粒子の作製を検討した。既存のコアに対して、ゲル層を追加する、シード沈殿重合法を実施した。この際に、コアが溶媒中で収縮している事が重要である事を確認した。単層ではなく、複層を導入する際には、多段階の合成ステップを経る事、更に重合に影響するパラメータが多い事より、一度の重合において、モノマー水溶液を複数回に分けて添加する手法を検討した。得られたコアシェル型粒子を、動的光散乱法や電気泳動光散乱法により評価した。その結果、シェル層の付与前後の粒子サイズや表面電荷密度の値の変化より、シェル層が有意に付与されており、その上でサイズが揃ったゲル微粒子であることを確認する事ができた。
上記検討により得られたゲル微粒子の存在下、油溶性モノマー(例:スチレン)のシード乳化重合法を実施した。その結果、疎水性成分がゲル微粒子内部に複合したナノコンポジットゲル微粒子を得る事ができた。特に、油溶性成分としてスチレンを選択した際には、得られたポリマーを有意に染色する事ができるため、サンプルを透過型電子顕微鏡により観察した際に、ポリスチレンの複合構造が層状である事を確認する事ができた。
また、更なる階層構造の精密化を目指すために、コアとなるゲル微粒子の重合において、モノマーやコモノマーの濃度、ショットする回数等を変化させる事で、疎水性成分が複合化しない高分子電解質層の層数や厚さが制御可能であることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

固体成分であるポリスチレンを階層上に複合したナノコンポジットゲル微粒子を合成する事ができ、特に、シード沈殿重合法を活用する事で、複合構造制御に重要なゲル微粒子内の高分子電解質層を制御する指針を見出すことができたため。

今後の研究の推進方策

シード沈殿重合法によるゲル微粒子合成手法、および、シード乳化重合法による複合化手法の精査により、固体成分層の精密構造制御を実施する。また、複合する固体成分として、機能性を有するモノマーの適用へ拡張し、複合構造の設計指針の汎用化を図る。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響で、学会発表に対して旅費が全くかからなかったため、初年度に予定していた助成金の一部が次年度に繰り越されている。次年度において、物品費(試薬代、実験器具費、等)に使用する。

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公開日: 2021-12-27  

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