植物が生産するプレニル化フェノール類は約1000種類に及び、人の健康維持・向上に貢献する生理活性を示すなど非常に有益な化合物群である。これらの機能発現にはプレニル側鎖が重要であり、この側鎖はプレニル化酵素(PT)によってフェノール母核に転移される。この時、個々の植物PTはフェノール基質の決まった位置にプレニル側鎖を転移させるという高い位置特異性を示し、この特異性が効率的物質生産の鍵となる。本研究では、植物PTの位置特異性を担う触媒機構の解明を目指した。2年の研究期間で、変異酵素の生化学的解析や3Dモデリングなどを行い、PTの位置特異性を担うアミノ酸残基の発見と制御機構解明に迫ることができた。
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