鶏卵白のペプシン消化物(EWP)は脂肪蓄積抑制作用及び耐糖能改善作用を有することが報告されているが,活性成分は特定されていない。本研究では,EWPをペプチド画分とタンパク質画分の2つに別け,各画分の糖及び脂質代謝改善作用を食餌誘発性肥満モデルマウスを用いて検討した。ペプチド画分の給餌によって,精巣周囲脂肪重量,肝臓中のコレステロール含量及び血中グルコース濃度が低下した。一方でタンパク質画分は脂肪蓄積を抑制しなかったが,経口糖負荷試験によって耐糖能を改善することが示された。EWPによる脂肪蓄積抑制作用と耐糖能改善作用には、それぞれペプチド画分とタンパク質画分が関与していることが明らかとなった。
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