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2021 年度 実績報告書

遺伝子発現の時空間的変動に基づくファイトプラズマの昆虫適応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K22577
研究機関東京大学

研究代表者

鯉沼 宏章  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (00884686)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワードファイトプラズマ / 媒介昆虫
研究実績の概要

植物病原細菌の一群であるファイトプラズマはゲノムサイズが非常に小さいにも関わらず、昆虫にも感染し媒介されるというユニークな特徴を持つ。そのため、限られた遺伝子で植物と昆虫という異なる宿主に適応していると考えられるが、昆虫媒介機構の詳細は明らかになっていない。本研究では、申請者が初めて解明したファイトプラズマの詳細な昆虫内動態を基盤として、ファイトプラズマの媒介昆虫感染過程を包括的に理解し、宿主適応メカニズムを解明することを目指した。昨年度は昆虫1個体から解剖した組織ごとに遺伝子発現解析を行う系を構築した。そこで本年度は、ファイトプラズマ感染植物を吸汁させた昆虫を経時的に回収し、構築した系を利用してファイトプラズマの遺伝子発現変動解析を行った。その結果、特定の昆虫組織で発現変動が特徴的なファイトプラズマ遺伝子を複数見出した。現在、選抜したタンパク質について、昆虫組織内局在や組織ごとの相互作用能を解析している。加えて、植物と昆虫を行き来するファイトプラズマの生活環を包括的に理解するため、植物体内でファイトプラズマが分泌し、昆虫誘引に関わるエフェクターについて機能解析を行った。その結果、ユビキチンを介さずに標的タンパク質をプロテアソームへと輸送し分解していることを明らかにした。以上より、本年度はファイトプラズマの昆虫媒介機構を解明し、防除戦略を構築する上で、基盤となる知見を蓄積することができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] A phytoplasma effector acts as a ubiquitin-like mediator between floral MADS-box proteins and proteasome shuttle proteins2022

    • 著者名/発表者名
      Kitazawa Yugo、Iwabuchi Nozomu、Maejima Kensaku、Sasano Momoka、Matsumoto Oki、Koinuma Hiroaki、Tokuda Ryosuke、Suzuki Masato、Oshima Kenro、Namba Shigetou、Yamaji Yasuyuki
    • 雑誌名

      The Plant Cell

      巻: 34 ページ: 1709~1723

    • DOI

      10.1093/plcell/koac062

    • 査読あり
  • [学会発表] ファイトプラズマの葉化誘導因子ファイロジェンと2種類の宿主因子による三者複合体の検出2022

    • 著者名/発表者名
      松本旺樹・北沢優悟・岩渕望・鯉沼宏章・鈴木誠人・徳田遼佑・前島健作・大島研郎・難波成任・山次康幸
    • 学会等名
      令和4年度 日本植物病理学会大会
  • [学会発表] 媒介昆虫体内におけるファイトプラズマの局在・量的変動解析2021

    • 著者名/発表者名
      徳田遼佑・鯉沼宏章・魏薇・北沢優悟・二條貴通・宮﨑彰雄・前島健作・難波成任・山次康幸
    • 学会等名
      日本マイコプラズマ学会 第48回学術集会
  • [学会発表] 媒介昆虫の主要感染器官におけるファイトプラズマの感染過程の可視化2021

    • 著者名/発表者名
      鯉沼宏章・徳田遼佑・松本旺樹・北沢優悟・二條貴通・宮﨑彰雄・前島健作・難波成任・山次康幸
    • 学会等名
      日本マイコプラズマ学会 第48回学術集会
  • [学会発表] ファイトプラズマの花器官葉化誘導因子ファイロジェンの立体構造解析2021

    • 著者名/発表者名
      北沢優悟・岩渕望・宮武秀行・徳田遼佑・鯉沼宏章・前島健作・大島研郎・難波成任・山次康幸
    • 学会等名
      日本マイコプラズマ学会 第48回学術集会
  • [学会発表] ファイトプラズマ研究の温故知新:治療薬の試験管内スクリーニング2021

    • 著者名/発表者名
      前島健作・宮﨑彰雄・丹野和幸・鈴木拓海・鯉沼宏章・岩渕望・難波成任・山次康幸
    • 学会等名
      日本マイコプラズマ学会 第48回学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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