研究課題
研究活動スタート支援
ダイズが持つハスモンヨトウ抵抗性の作用機構を明らかにするため、ダイズ品種「ヒメシラズ」を摂食したハスモンヨトウ幼虫体内の生理的な変化を明らかにし、その変化をもたらす因子を探索した。中腸内の消化酵素活性に着目し、中腸内のpHを正確に測定した上で酵素活性を測定し、プロテアーゼの活性低下が認めた。そこで、ヒメシラズの葉からプロテアーゼインヒビターを抽出する適切な条件を検討した。その上でプロテアーゼ阻害活性を指標に精製を進めたところ、ヒメシラズに特徴的な成分を認めた。
化学生態学
これまでの、ダイズの抵抗性遺伝子の特定が重視され抵抗性の作用機構に関する研究はあまり進んでいない。本研究ではハスモンヨトウ幼虫の生理的な変化に着目し、抵抗性の作用機構の解明を目指した。本研究成果により、ダイズ品種「ヒメシラズ」を摂食したハスモンヨトウ幼虫において中腸内のプロテアーゼ活性が低下することが明らかになり、その原因物質(阻害剤)がヒメシラズに含まれることが明らかになった。この成果は、抵抗性の作用機構の理解に基づいた有用な強抵抗性品種の開発に繋がると期待される。