研究課題
代理親魚技術の実用化を目指し、A型精原細胞をユニバーサルに“見える化”する技術の樹立をするために、A型精原細胞の細胞表面抗原抗体が認識する抗原分子の同定に着手した。まず前年度までの研究によりマグロA型精原細胞特異抗体を用いたウェスタンブロッティングにより抗原タンパク質の検出に成功していたため、その条件をもとに2次元電気泳動による抗原タンパク質の単離行った。その結果、抗体陽性のスポット2つを分離することに成功したため、そちらの切り出しを行ったのちに質量分析に供した。質量分析の結果はマグロ全ゲノムのデータベースの予測タンパク質を参照した結果、合計173の抗原タンパク質候補が得られた。それらのうち26のタンパク質が膜貫通領域を保持しており、膜タンパク質であることが示唆された。さらにそれらの候補の中からA型精原細胞において強発現しており、かつ生殖腺体細胞などで発現していない遺伝子を、抗体陽性および陰性細胞分画cDNAを用いたRT-PCRにて確認した。その結果、5遺伝子においてA型精原細胞における特異的かつ強い発現が確認された。さらにそれらの遺伝子のうち、in situ hybridizationによりマグロA型精原細胞での局在を確認した結果1遺伝子についてマグロA型精原細胞における特異的なシグナルを観察することに成功し、マグロA型精原細胞特異抗体の抗原である可能性が強く示唆された。今後は本遺伝子の組み換えタンパク質を作成し、それが抗体が結合するかを確かめることで、本遺伝子が抗原であるかの確認を行う予定である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件)
Aquaculture,
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