研究課題/領域番号 |
20K22589
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西尾 晃 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 研究機関研究員 (30880108)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 樹木 / 非破壊検査 / 宇宙線 / 原子核乾板 |
研究実績の概要 |
本年度は以下の2つの点で進展があった。
1つ目の進展として、中心部の空洞化した樹木の輪切りサンプルを作製し、名古屋大学内に設置し試験観測を開始した。この試験では、宇宙線を用いた本手法で樹木の空洞化を検出可能であるか実証する目的がある。
2つ目の進展は、倒伏した大湫神明神社の大杉の調査を瑞浪市大湫町の協力を得て開始した。大湫神明神社の大杉は令和2年7月11日に豪雨により倒木被災した、樹齢670年の御神木である。今後大杉の保存活用が検討されており、本手法を用いて中心部の空洞の有無を明らかにすることができれば、保存活用計画に活かすことができると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度においては2つの測定を実際に開始した。R3年度においてはこれらの測定結果の解析を行い、宇宙線を用いた樹木非破壊検査手法の有用性を明らかにする。
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今後の研究の推進方策 |
樹木の輪切りサンプル及び、神明神社の大杉に設置している原子核乾板検出器の回収、現像作業を5月ごろ行う。またそれと並行して、測定対象の3次元モデルをLidar等の測定器によって取得し、3次元モデルを用いて宇宙線到来本数のシミュレーションを実施する。測定データとシミュレーションの比較から、空洞検知の可否を判定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本予算による原子核乳剤の購入が次年度にずれ込んだため。今年度は原子核乳剤の購入や、現像用の消耗品、シミュレーションを行うPCの購入のほか、学会や論文における成果発表に予算を使用する計画である。
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