研究課題/領域番号 |
20K22594
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
柴崎 康宏 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (30750674)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | リンパ節 / 形質細胞 / 抗体 / ワクチン / 魚類 |
研究実績の概要 |
リンパ節は免疫細胞が抗原と効率的に出会い、抗原に特異的な免疫応答が活性化される(抗体産生が誘導される)部位として重要である。魚類においても抗原特異的な抗体は産生されるが、リンパ節を持たない魚類では、どこで特異的抗体産生が誘導されるのか不明であった。それゆえ、ワクチン接種や感染時にどのような機序で免疫応答が誘導されるのか解っていなかった。高密度に飼育される魚類養殖ではワクチンを用いた感染症予防が重要であるが、抗体産生機序が十分に明らかとなっていないことが問題となっている。 本研究では、感染やワクチン接種といった免疫刺激に対して、魚類の特異的抗体が「どこで」、「どのように」産生されるかを明らかにすることを目指し、研究を実施している。初年度は、まず抗体を産生細胞である形質細胞の特性解明のために有用である、形質細胞の維持培養の改良に取り組んだ。本形質細胞培養系により、2か月以上にわたり形質細胞を誘導し維持できるようになった。本培養系はより簡便に改良できる余地があると考えられる。また、種々の免疫刺激・感染時に出現する免疫クラスターについて、動態解析を行い、刺激に応じてクラスター形成が進むことがわかってきた。そして、形成が進んだクラスター内では抗体産生細胞が現れることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は抗体産生細胞の機能解析に必須である培養系の立ち上げに成功した。また、組織において、抗体産生細胞が生み出される免疫クラスターの特徴が明らかになりつつある。そのため、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の成果である培養系を用いて形質細胞の特徴を調べること並びに免疫クラスターについてのさらなる解析を行い、ワクチンや感染といった免疫刺激に対して抗体が産生されるメカニズムを調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行の影響で、予定していた学会が中止・延期となり、予定していた旅費を使用しなかったため。予定していた国際学会は再延期となるが、国内学会は開催されるため、学会参加に使用する予定である。
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