食品の中でも野菜類は凍結・解凍後の組織軟化が著しく、現在の技術ではその改善が困難である。一方で、同じ野菜品目でも品種などによって冷凍後の品質に差があるが、その差を生み出すメカニズムは明らかになっていない。本研究では、組織の強度維持に関わるペクチンに着目し、品目・品種による差異と冷凍適性との関係を明らかにすることを目的とした。さらに、低温加熱処理によるペクチン構造の改変が、凍結後の氷結晶形態および力学特性に及ぼす影響を調べた。その結果、ペクチン構造の差異は氷結晶の形成のされ方に違いを及ぼさないが、凍結解凍後の力学特性には影響することが明らかとなった。
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