本研究は、マウス、ヒトの全能性幹細胞から肢細胞を分化させ、四肢軟骨の発生、成長過程を三次元培養下で再構築する実験モデル系を確立することで、四肢形態形成過程の細胞挙動の制御を明らかにし、さらにその種間差を明らかにすることを目的とした。これまで肢細胞から培養下で形態形成させる実験系がなかったため、まずマウス胚から得た肢細胞を三次元培養することで、肢の位置情報に応じて細胞がつくる軟骨の数、形状、伸長の仕方を変化させることができるモデル系を確立した。また、ヒト全能性幹細胞を二次元培養、および三次元培養で分化させ、肢間充織が側板中胚葉から発生する形態形成過程を再現するモデル系をつくることに成功した。
|