研究実績の概要 |
2020年度は、ヒト線維芽細胞から四肢前駆細胞様細胞を誘導するリプログラミング効率改善を目指し、実験系の変更を行った。具体的には、4つのリプログラミング因子のうち3因子を一つのレンチウイルスベクターに組み込み、リプログラミングに使用するウイルスベクター数を減らすことで、多重感染の効率を改善することを目論んだ。目的のレンチウイルスベクターは作製できており、狙いどおり多重感染の効率の上昇が認められた。現在、実際にリプログラミング効率が改善するかについて解析を実施している。 また、四肢前駆細胞特異的に活性を持つPrx1プロモーターの下流にZsGreen遺伝子を導入したコンストラクトを作成し、Tol2トランスポゾン法によってニワトリPGCのゲノムへと挿入した。このことから、四肢特異的ZsGreenレポータートランスジェニックニワトリを作製する下地が整った。 さらに、先行研究で得られたマウスリプログラミング細胞の生体内での分化能が示されたため、これまでの結果を取りまとめ論文を作成し、国際学術誌へ投稿した(Atsuta et al., submitted)。 これらに加え、ニワトリ肢芽表皮を簡便に遺伝子操作できるエレクトロポレーションを開発し発表した(Tomizawa, Tabin & Atsuta, Dev. Dyn., in press)。
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