研究課題/領域番号 |
20K22663
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
河田 純一 福岡大学, 医学部, 助教 (00312207)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
キーワード | ダイナクチン / ダイニン / TDP-43 / Perry病 / 細胞内輸送 / タンパク質凝集体 / モデルマウス |
研究成果の概要 |
TDP-43は、複数の神経変性疾患で見られる凝集体の主成分である。本来は核に存在するTDP-43を細胞質内で凝集させる病的仕組みは、未解明のままである。我々は、DCTN1(微小管モーターダイニンのアダプター、ダイナクチン複合体の最大サブユニットであり、Perry病の原因遺伝子産物)が、TDP-43に結合することを見出した。更に、DCTN1-TDP-43結合の特性とPerry病発症における役割に関し、解析を行った。Perry病等の病的条件下では、この結合が異常レベルにまで強化され、微小管結合とのバランスを取る制御系が破綻することで、TDP-43輸送が抑制され、凝集体形成を促進する仮説を提唱した。
|
自由記述の分野 |
神経科学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TDP-43は、ALSをはじめとする複数の神経変性疾患で見られる異常凝集体の主成分である。本来は核に存在するべきTDP-43を細胞質内で凝集させる病的仕組みは、未解明のままである。我々は、DCTN1(ダイニンと呼ばれるモータータンパク質の運動性を制御するアダプター分子であり、Perry病の原因遺伝子産物)が、TDP-43に結合することを見出した。更に、DCTN1-TDP-43結合の制御異常により、細胞質内凝集体が形成される仕組みの一端を明らかにした。この仕組みが、ALSなどの発症に広く関与する可能性がある。
|