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2021 年度 実績報告書

トゲカワムシ科動吻動物の系統進化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K22670
研究機関九州大学

研究代表者

山崎 博史  九州大学, 基幹教育院, 助教 (80750330)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワードメイオベントス / トゲカワムシ / 動吻動物 / 系統 / 多様性 / 進化
研究実績の概要

本研究はトゲカワムシ科動吻動物の系統進化学的解析を通じて、メイオベントス(小型底生動物)の砂の隙間環境下での進化史と種多様性創出機構の解明を目的として実施した。研究対象としたトゲカワムシ科動吻動物は、全種が海産メイオベントスで、これまでに世界から約160種が知られている。系統進化学的解析に先立ち、これら既知種全種の形態情報・生息情報、申請者が日本周辺海域から採集したトゲカワムシ科動吻動物約100種(一部、既知種を含む)の形態情報・生息情報をマトリックスにまとめた。また後者の日本周辺海域産トゲカワムシ科動吻動物よりゲノムDNAを抽出し、18S rRNA, 28S rRNA, ミトコンドリアCOI遺伝塩基配列を決定した。これらのデータにGenbankで公開されている既知種の塩基配列情報を加え、系統解析を行ったところ、以下の点が明らかになった。(1) トゲカワムシ科動吻動物5属の内、Pocalanthoderes属は単系統性を示すとともに、科内で最も初期に分化している。(2)残りの4属で大きなクレードを形成するが、各属の単系統性は支持されない。(3)これまで「種群」として認識されていた幾つかのグループの単系統性が支持されるとともに、複数の新たな単系統グループの存在が示された。単系統性が強く支持されたグループ内では形態的・生態的共通点が見られる種が多い。例えばEchinoderes horniを含むクレードは比較的浅海の粗砂から見つかり、中央背棘の数が少なく、大きく発達した分泌腺孔をもつ種を中心に構成される。またEchinoderes coulliを含むクレードは、汽水性で発達した原腎口板を有する種を多く含んでいた。形態や生息環境の特徴を示すクレードが多い一方で、ある地域固有性を示したクレードは、Pocalanthoderes属(南極域のみに生息)のみであった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ナンキョクトゲカワ属 Polacanthoderes (Kinorhyncha: Echinoderidae) のタイプ種 P. martineziの再観察結果と未記録種の報告,および本属の系統的位置について2022

    • 著者名/発表者名
      山崎博史、藤本心太、田中隼人、嶋田大輔、辻本惠
    • 学会等名
      日本動物分類学会第57回東京大会
  • [学会発表] トゲカワムシ科動吻動物の系統解析2021

    • 著者名/発表者名
      山崎博史
    • 学会等名
      日本動物学会第92回オンライン米子大会

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公開日: 2022-12-28  

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