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2020 年度 実施状況報告書

血管性認知症に対する低酸素刺激ミクログリアによる細胞療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K22683
研究機関京都大学

研究代表者

安田 謙  京都大学, 医学研究科, 医員 (90883265)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード細胞療法 / ミクログリア / 血管性認知症 / オリゴデンドロサイト
研究実績の概要

脳血管性認知症は、アルツハイマー病に次いで2番目に多い認知症であり、克服すべき全人的課題である。我々は以前より脳血管性認知症モデルマウスを用いて、様々な治療薬の開発を行ってきた。 オリゴデンドロサイトの分化障害は、血管性認知症の病態の1つとされており、内因性のオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)の分化誘導は有望な治療ターゲットと考えられている。
本研究は、脳血管性認知症におけるオリゴデンドロサイトの分化障害を改善できるミクログリアの形質や誘導条件を同定し、血管性認知症に対する治療応用へと展開する研究基盤を確立することが目的である。
令和2年度において、初代培養系細胞を用いた実験により、①異なる酸素分圧でのミクログリアの極性変化をmRNAレベルで確認した。その結果、軽度の低酸素刺激がミクログリアの極性をM2タイプに変化させることを確認した。②また、ミクログリアへの低酸素刺激がオリゴデンドロサイト前駆細胞を含む周囲の細胞腫に対して、種々の影響を与えうることを見出した。③脳血管性認知症モデルマウスにおいて、白質病病変の形成、OPCの分化障害、ミクログリアの極性変化が起こることを確認した。

脳虚血環境において低酸素の勾配が存在していることが予想され、種々の細胞腫においても低酸素環境での形質変化は報告があるが、低酸素環境でのミクログリアからオリゴデンドロサイトへの影響については不明な点が多く残されている。本研究によりこれらの点を明らかにすることにより血管性認知症に対する新規治療アプローチへ発展させていくことを目標とする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の実験計画どおり、令和2年度はin vitro, in vivoの実験を行い、上述のような基礎データが得られた。上記の研究内容について、日本神経学会総会(2021年5月)で発表予定である。

今後の研究の推進方策

令和2年度に得られた結果をもとに、今後は以下の項目に取り組むことを計画している。
①培養実験系において、低酸素刺激によるミクログリアの遺伝子変化を網羅的に解析する。
②脳血管性認知症モデルマウスに対する低酸素ミクログリア細胞上清による治療効果や至適条件を検討する。

次年度使用額が生じた理由

本年度に抗体や試薬の発注を予定していたが、既存の抗体や試薬で使用可能なものがあり、発注の必要がなくなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The therapeutic effect of hypoxic microglia secretome on OPC differentiation.2021

    • 著者名/発表者名
      Ken Yasuda , Takakuni Maki , Hisanori Kinoshita and Ryosuke Takahashi
    • 学会等名
      第62回日本神経学会学術大会

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公開日: 2021-12-27  

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