幼少期の視覚的体験が欠如すると弱視になることが知られているが、なぜこのような現象が起こるのか十分に分かっていなかった。我々はマウスを暗所飼育することで幼少期の暗所飼育が視神経に与える影響を検討した。その結果幼少期に2週間暗所飼育されたマウスの視神経では正常な神経伝導に必要な髄鞘と呼ばれる構造が短くなることが明らかになった。短い髄鞘は伝導速度を低下させ視力の低下につながる。本研究により幼若期の視覚欠如が成熟期の視神経の形態障害につながることが示され、弱視のメカニズムの一部が明らかとなった。本研究内容は2022年8月6日Neurochemical Research誌のオンライン版に先行掲載された。
|