本研究では、リトドリンの胎盤透過性・胎児蓄積性と新生児低血糖症の因果関係を明らかにするため、臨床に即した動物モデルの作成を行った。リトドリン8mg/kg/dayを7日間持続皮下投与したモデルでは新生児低血糖症は認められなかったが、16mg/kg/dayを母獣に急速静脈内投与したモデルで新生児での有意な低血糖状態が持続した。新生児血漿中リトドリン濃度は急速静脈内投与したモデルの方が10倍高く推移した。以上から胎児期でのリトドリン曝露期間よりも帝王切開時での胎児血漿中リトドリン濃度が高濃度であり、新生児中リトドリン濃度が高濃度推移することでリトドリンよる新生児低血糖症が発症する可能性が示された。
|