白金系抗がん剤であるオキサリプラチン(L-OHP)は副作用として高頻度に末梢神経障害を発現する。これまでL-OHPによる末梢血流障害が、末梢神経障害の進展に関与することを明らかにしてきた。本研究では、感覚神経と血管との機能連関に着目した検討を行い、L-OHPにより感覚神経性の血管応答に異常が生じることを明らかにした。これら一連の結果は、L-OHPが末梢神経を直接障害するだけでなく、感覚神経による血管応答性にも異常をもたらし、そのことが末梢血流低下、さらに末梢神経障害の増悪につながると考えられ、末梢感覚神経-血管連関の異常が末梢神経障害に関与していることを示唆している。
|