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2020 年度 実施状況報告書

心不全発症に関与するエピジェネティックな変化を伴う転写制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K22714
研究機関静岡県立大学

研究代表者

船本 雅文  静岡県立大学, 薬学部, 研究補助員 (40882064)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワードエピジェネティクス / 心不全 / ヒストン
研究実績の概要

心不全の進展に心筋細胞肥大が関与しており、その発症メカニズムの解析が広く行われている。申請者は、心肥大期から心不全期にヒストンのテールドメイン(H3K9)から球状ドメイン(H3K122)へアセチル化の修飾部位が変化すること、さらにヒストンアセチル化酵素活性を持つp300がこれらのヒストンのアセチル化に関与していることを見出した。また、p300は心肥大期並びに心不全期において肥大反応遺伝子プロモーター上へのリクルートが同程度であり他のp300に結合する因子がヒストンのアセチル化修飾部位の変化に関与していることを明らかにした。しかし、心肥大期から心不全期にかけてヒストンアセチル化修飾部位が変化する詳細については解明されていない。そこで、心肥大から心不全にかけてp300結合タンパク質が変化したことによりヒストンのアセチル化修飾部位が変化したと考え、心肥大や心不全との関連が報告されているタンパク質の中からクロマチンリモデリング因子に着目した。その中でも、SWI/SNI複合体の中心的な役割を果たしているBRG1に着目した。本研究の目的は、心肥大期から心不全期にかけてヒストンのアセチル化修飾がなぜ変化するのかについて詳細に解明することである。本研究ではBRG1コンディショナルノックアウトマウスやBRG1の阻害剤を用いて検討していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナの影響により動物実験に関する進捗が遅れている。BRG1コンディショナルノックアウトマウスを作成し、ノックアウトの確認を行っているところである。また、BRG1の阻害剤を用いて心筋細胞肥大に対する検討を行っており、必要なデータはそろいつつあるものの動物実験に移行できていない。

今後の研究の推進方策

BRG1コンディショナルノックアウトマウスに大動脈縮窄(TAC)術を行い心不全を誘導する。心エコー検査を行い心機能を解析し、コントロールの野生型(WT)マウスと比較する。次に、WB並びにChIPアッセイにてヒストンのアセチル化修飾部位がBRG1のノックアウトにより変化するかどうか解析する。
並行してWTマウスにTAC術を施し、BRG1の阻害剤の投与を行い心不全に対する効果の検討並びにメカニズム解析を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Histone Acetylation Domains Are Differentially Induced during Development of Heart Failure in Dahl Salt-Sensitive Rats2021

    • 著者名/発表者名
      Funamoto Masafumi、Sunagawa Yoichi、Katanasaka Yasufumi、Shimizu Kana、Miyazaki Yusuke、Sari Nurmila、Shimizu Satoshi、Mori Kiyoshi、Wada Hiromichi、Hasegawa Koji、Morimoto Tatsuya
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 22 ページ: 1771~1771

    • DOI

      10.3390/ijms22041771

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 心不全時にp300/BGR1複合体形成によりヒストンのアセチル化修飾部位は変遷した2020

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Funamoto, Yoichi Sunagawa, Ayumi Katayama, Kana Shimizu, Mai Gempei, Yasufumi Katanasaka, Yusuke Miyazaki, Nurmila Sari, Satoshi Shimizu, Hiromichi Wada, Koji Hasegawa, Tatsuya Morimoto
    • 学会等名
      第24回日本心不全学会学術集会
  • [学会発表] 心不全発症時におけるBRG1/p300の複合体形成がヒストン球状ドメインのアセチル化に関与していた2020

    • 著者名/発表者名
      船本雅文, 砂川陽一, 刀坂泰史, 清水果奈, 宮崎雄輔, Sari NURMILA, 清水聡史, 和田啓道, 長谷川浩二, 森本達也
    • 学会等名
      日本薬学会第140年会

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公開日: 2021-12-27  

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