研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、ホタル生物発光反応の発光強度の増大を目指し新規発光基質を有機合成した。合成した新規化合物5種のうち、ふたつは既存の人工発光基質よりも発光強度が増大し、さらにそのうちの一つは近赤外領域の発光極大波長を有していた。現在は、共同研究者たちとともに、これら新規化合物の発光特性の詳細な評価と、動物実験での有用性を検証している。
生物有機化学
黄緑色に発光するホタル生物発光反応は生体内可視化技術として利用されており、既存技術に比べて、より高い測定感度が求められてきた。これまでは発光基質の改良により、発光波長を黄緑色から赤色や近赤外領域に改変することで、光の透過性を利用して測定感度が向上してきた。本研究で開発した新規化合物は近赤外の発光波長を有し、且つ既存の人工発光基質よりも発光強度が増大している。これにより、たとえば、マウスの深部組織や微小環境において、既存技術に比べ、より高感度に観察できるだろう。