研究課題
研究活動スタート支援
薬理活性に直接関わる分子の部分構造を変更せずに、基準構造のうちの薬理活性に関わらない部分を変更した化合物を合成した。これにより大きなコンフォメーション変化が生じ、薬理作用に大きな変化を生むことを期待した。結果として薬理活性は大きく変化し、非活性部位の改質により分子のコンフォメーション変化が生じたことが示唆された。本研究によって、活性発現に関わらない部分の改質によるコンフォメーション変化を利用した創薬方法を提示することができた。
有機合成化学
創薬研究は主に平面性の高い分子構造を持つ化合物を対象に行われてきたが、近年は三次元性に富んだ構造を持つ化合物が着目されるようになってきた。しかしながら、分子構造を変化させることでコンフォメーションの変化、すなわち三次元的構造の変化を生み、その変化を利用する創薬研究はほとんど行われてこなかった。本研究は非活性部位の改質によりコンフォメーション変化が薬理活性に大きな影響を及ぼすことを明らかにしており、創薬研究における学術的意義があると言える。