今までミクログリアの活性化を脂質代謝の変調の観点から調べるアプローチ法はなかった。ADプレクリニカル期における「脂質代謝の変調」という新しいパラメーターを明らかにすることで、ミクログリアの活性化の理解が大きく進むことが期待される。また、NRによる遺伝子転写調節はアゴニストの微妙な構造の違いで異なる。AD治療薬としての既存のアゴニストは重篤な副作用を示すものが多い。今後、異なる遺伝子発現誘導をするであろう、構造の多様性に富む天然由来NRアゴニストの探索を行い、AD治療に対し病態生理機能の調節に有用である新しいアプローチ法と治療薬の発見に繋がることが期待される。
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