CD38はNAD+を分解する酵素であり、その発現量は老化によって増加する。また老化に伴うNAD+量の減少は骨格筋におけるサテライト細胞の筋芽細胞への分化を阻害することによって骨格筋修復を抑制する。そこで、本研究ではCD38の阻害がNAD+量の維持を介して骨格筋修復過程を改善すると仮定し研究を行った。 CD38の阻害剤はC2C12におけるNAD量を増加させ、筋芽細胞への分化を促進することを見出した。また、CD38の遺伝子欠損は老化マウスにおける骨格筋修復過程の低下を改善した。以上の結果から、CD38の阻害はNAD量の増加を介して骨格筋修復に有効であることが明らかになった。
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