ヒト胚子期から胎児期初期における腹壁、横隔膜等といった、体の「隔たり」を構成する部位の形成過程について明らかにするため、ヒト胚胎児標本35例のT1強調画像 (T1W)、拡散テンソル画像 (DTI) を用いて形成過程を解析した。画像解析ソフトを用いて、T1Wから作成した三次元再構成像し、形の変化を観察するだけなく、DTIから作成したTractographyを用いて、内部を構成する筋、膠原線維の走行の描出も検討し、成長に伴う線維走行の変化についても明らかにすることができた。本研究は、ヒト胎児期初期の上記部位の形態形成について新たな知見を加えることで正常な発生プロセスの解明に寄与すると考える。
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