本研究では、新規脳因子であるNeurosecretory protein GL (NPGL)に着目し、主にマウスを用いて、その機能と体内の栄養状態との関連を解析した。令和2年度および3年度を通して、NPGLは、高脂肪食の給餌下では、顕著な脂肪蓄積を誘導しないことがわかった。一方で、NPGLは、高脂肪食給餌により誘導されるインスリン抵抗性や高血糖を緩和する機能を持つことを明らかにした。すなわち、研究代表者は、当初の目的の1つである脂質特異的な摂食行動を調節する視床下部因子を見出すことはできなかったものの、栄養過多により誘導される代謝異常を抑制するというNPGLの新たな機能を示した。
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