研究課題
研究活動スタート支援
細胞核は遺伝情報を保持する重要な細胞内小器官であり,一般にその形態は球状や楕円体状とされているが,顆粒球は,分化・成熟に伴い,桿状を経て分葉した極めて特殊化した形態へと至る.この形態ができるメカニズムの全体像を明らかにするため,本研究では,粗視化2次元粒子モデルを構築し,弾性を持つ膜内部でクロマチン凝集による体積減少が起こることで生じる形態変化として分葉核形成過程を再現した.また,その仮定の一部を実験的に検証するとともに,メカニズムのさらなる詳細な理解へ向けた実験系の構築も行った.
数理生物学・発生生物学・細胞生物学
古典的に教科書に記載されている顆粒球の核分葉という形態がつくられるメカニズムの一端を数理モデリングと実験を融合することで明らかにした.また,このモデル枠組みは他の特殊化した核形態への適用可能であるため,悪性腫瘍などで見られる核の形態異常などの疾患における形態変化への応用も期待される.