研究課題
M. abscessus group 305株のRifampicin-resistance determining region(RRDR)の遺伝子配列を解析した結果、すべての臨床分離株でアミノ酸配列は一致していたことから、RRDR領域の遺伝子変異はM. abscessus groupのRifabutin感受性の差異に関与していないことが示された。また、収集した菌株の特徴を再解析した結果、細胞壁表面にGlyco Peptide Lipid (GPL)を欠きRough型のコロニーを形成する菌株の方が、GPLを有するSmooth型のコロニーを形成する菌株よりも感受性が良好であることがわかった。申請者らは当初、Rifabutinの薬剤感受性の差異はM. abscessusの亜種に影響される可能性を考えていたが果たしてどちらがRifabutin感受性に寄与しているのかを明らかにするためにはさらなるデータ集積が必要である。これらの内容は第71回日本感染症学会東日本地方会学術集会シンポジウムで「迅速発育性抗酸菌の薬剤感受性と抗菌薬選択」において筆頭演者で報告した。次にリファマイシンをADPで修飾することによって効果を減弱するADP-ribosyltransferase(Arr) 遺伝子(MAB_0591)のノックアウト株においてrifabutin MICが低下したとの報告が相次いだため、臨床分離株におけるMAB_0591およびそのプロモーター領域の遺伝子およびアミノ酸配列を調査する方針とし、現在結果解析中である。また、申請者らはM. abscessus感染症の新規治療薬として注目を集めているomadacyclineの抗菌薬併用効果を評価する中で、rifabutinとの併用で相乗(シナジー)効果があることを示し報告した。(Fujiwara, et al. Antimicrob Agents Chemother. 2023;e0157922.)
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Antimicrobial agents and chemotherapy
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