これまで十分に解明できていなかったHLA-Eを介した免疫応答につき本研究を通し次のことを発見同定した。手術標本の検討では一部の肝癌細胞に発現がみられるが、主に腫瘍浸潤免疫細胞に発現がみられ、末梢血の検討では、免疫細胞全般でHLA-Eが発現していた。さらに解析することでHLA-Eを認識するT細胞受容体の候補を同定した。肝がんに対する免疫療法症例の検討では、HLA-Eのハプロタイプが0101/0101の場合、無増悪生存期間が短い傾向にあった。これらの結果は、HLA-Eと特定の免疫細胞集団との相互作用が、肝癌の進行および免疫療法への応答に影響を与える可能性を示している。
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