研究課題
一部の免疫細胞は抗原の刺激を受けた後、記憶細胞として長寿命を獲得し維持される。しかし、どのように免疫細胞が長寿命を獲得し維持されるのか、細胞内外の分子メカニズムは不明な点が多かった。長寿命獲得には、我々の今までの結果を基に、細胞分裂とIL-2に着目し、レトロウイルス導入によるshRNAや阻害抗体投与、遺伝子欠損マウスを用いて解析を行った。分子としては、IL-2Rβに加えて、CXCR6に着目した。その結果、細胞分裂は抗原提示後に7回以上必要であり、IL-2RβをshRNAや阻害抗体で抑制すると、長寿命獲得が抑制されたが、CXCR6は欠損マウスを用いて解析したところ、長寿命獲得に関与していないことが分かった。しかし、驚くことに、CXCR6は長寿命の維持に関わっていることが本研究で明らかになり、ケモカイン受容体という特質から予想外ではあったが、現在更なる研究を進めている。また長寿命維持に関しては、計画通り、解糖系と接着分子に注目した。予想通り、解糖系やインテグリン分子下流シグナルの阻害は長寿命の維持を阻害した。以上のことから、1年半の研究は予想以上の結果を出すことができた。
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