研究課題/領域番号 |
20K22778
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
勝山 隆行 岡山大学, 大学病院, 助教 (80570093)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / T細胞 |
研究実績の概要 |
本研究では全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus: SLE)の病態解明のためにTankyrase関連分子のT細胞における役割を検討している。まずは対象分子のノックアウトマウスの作成を開始し、作出した。 現在はマウスの表現型の評価を行うとともにT細胞の特徴についてフローサイトメトリーを中心とした解析を行っている。具体的には、T細胞の活性化マーカーの発現や分化能・増殖能の変化、腎臓・肺・腸管などの臓器障害を組織所見で確認する。また、血清自己抗体、尿タンパクや下流シグナルの活性化についても検討を行なっている。また、CD3/CD28抗体などによるT細胞刺激後のサイトカイン産生についても、標的分子をノックアウトすることで変化するするかどうか検討している。 今後については標的分子の標的となる因子の発現や機能の変化についても検討する。具体的には、標的因子のユビキチン化の変化や、T細胞機能における役割についてフローサイトメトリー 、ウェスタンブロットなどを用いて解析する。さらに、B6/lprマウスのようなSLEの疾患モデルマウスにおける標的分子の役割についても検討を行う予定としている。 上記のように詳細な解析を行うことにより、T細胞機能に対象分子が果たす役割を明らかにし、T細胞での対象分子の欠損がSLEの病態に与える影響をin vivo、in vitroで検討することによりSLEの病態解明の一助とするのみでなく、新規治療標的開発にも寄与できると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ノックアウトマウスの作成に時間を要した。解析開始まで予想以上に時間を要したという点では当初の予定よりもやや遅れているが、すでに解析を開始しており大きな遅れではない。
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今後の研究の推進方策 |
今後もin vivo、in vitroで解析を行い、ノックアウトマウスの特徴を明らかにし、T細胞機能について詳細に解析する。並行してSLE疾患モデルマウスでの検討も行い、SLEの病態における役割について解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ノックアウトマウス作成に時間を要したため解析開始が遅れたことが原因である。これらの経費を用いてフローサイトメトリーなどの抗体を購入し、解析を進めていく。
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