• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

花粉症発症に関わる花粉アジュバントの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K22791
研究機関東京薬科大学

研究代表者

菅野 峻史  東京薬科大学, 薬学部, 嘱託助教 (00882135)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード花粉症 / 自然免疫 / 獲得免疫 / 糖鎖
研究実績の概要

各花粉1粒子あたりのβ-glucan(BG)含量を比較するとクロマツ、アカマツ、スギ、ヒノキ、イチョウ及びカモガヤ花粉は含量が高く、キク科及びシラカバ花粉は含量が低い結果となった。また、スギ、ヒノキ、イチョウ、カモガヤ花粉は表出しているBGも多かった。またスギ花粉の抽出BGについては真菌BG測定系への影響について報告した。
アカマツ及びクロマツ花粉については浸水するのに有機溶媒や界面活性剤での処理を要し、粒子あたりのBG含量は高いものの、通常の状態では水に浮いてしまうことから粘膜に付着することは難いことが推察され、マツ科の花粉症が少ない原因の一端を担っている可能性が考えられる。
ヒノキ科のスギ及びヒノキについては浸水して破裂し不溶性粒子が分離したが他の花粉では同じような挙動を示す花粉はなかった。そのため不溶性分子の分画はヒノキ科花粉のみ可能であることが明らかになった。不溶性粒子の分画はスギでは比重による密度勾配遠心を利用し、ヒノキではセルストレーナーを使用しサイズによる分離を行いそれぞれの分画の免疫活性及びBG含量について今後明確にしていくことを予定している。
また、各花粉で骨髄由来樹状細胞を刺激したところBG表出量の高いスギ、ヒノキ、イチョウ、カモガヤ花粉はDectin-1依存的に刺激活性を示した一方でブタクサ花粉ではDectin-1非依存的に刺激活性を示すことを示唆するデータが得られ、現在進行中である。
以上よりin vitroで活性を示したヒノキ科2種とカモガヤ、イチョウ、ブタクサ花粉のうちIn vivoでの使用量の確保が可能な花粉については検討を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

特に海外からの花粉原末等の納期がコロナ禍により遅れたことから花粉自体の物性解析は予定内に行う事ができたが、In vitroでの検討については予定より遅れている。

今後の研究の推進方策

・In vitroの検討を進め、in vivoで使用する花粉種の絞り込みを行う
・絞り込みを行った花粉についてin vivoでのDectin-1の影響を検討することで由来種ごとのBGの発症への影響を明らかにする。
・表出していない花粉BGの局在についても検討し、種ごとの違いを明確にする。
・ヒト細胞株を利用してマウスのみでなくヒトの細胞での反応性を明らかにする
以上より花粉症発症への花粉BGの影響を種間比較する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍による流通の影響や活動抑制により研究全体の遅れがあり次年度使用額が発生した

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Possibility of Japanese Cedar Pollen Causing False Positives in the Deep Mycosis Test2021

    • 著者名/発表者名
      Kanno Takashi、Kim Changmin、Yamanaka Daisuke、Ishibashi Ken-ichi、Tanaka Hiroshi、Ohno Naohito、Adachi Yoshiyuki
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 22 ページ: 2135~2135

    • DOI

      10.3390/ijms22042135

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] スギ花粉によるリムルスGテストへの影響の検討2021

    • 著者名/発表者名
      菅野峻史、山中大輔、安達禎之
    • 学会等名
      日本薬学会第141年会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi