HLA-B*57:01遺伝子を導入した癌細胞を皮下移植したマウスでは、アバカビル投与により腫瘍の増大が有意に抑制され、腫瘍組織中へのCD8陽性T細胞の浸潤も認められた。さらに、腫瘍内浸潤CD8陽性T細胞におけるサイトカイン産生細胞の割合も有意に増加した。一方で、HLA-B*57:03遺伝子(陰性対照)を導入した癌細胞や野生型の癌細胞を皮下移植したマウスではアバカビル投与群におけるCD8陽性T細胞の浸潤及び腫瘍形成への影響は観察されなかった。以上より、アバカビルとHLA-B*57:01の相互作用による免疫賦活が腫瘍への細胞傷害性CD8陽性T細胞の浸潤を促進し、抗腫瘍効果に繋がることが示唆された。
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