本研究の目的は骨肉腫に対するマルチキナーゼ阻害剤の有効性を検討することで,結果が臨床に直結するように,薬剤感受性試験の予測能が高い患者由来組織同所移植モデルを骨肉腫患者組織を用いて樹立した.二系統の骨肉腫患者由来組織同所移植モデルに対し,臨床応用されているマルチキナーゼ阻害薬であるパゾパニブ,ソラフェニブ,スニチニブ,レゴラフェニブ,クリゾチニブと第一選択薬のシスプラチンを投与した.スニチニブ群とソラフェニブ群の軽度増殖抑制効果とレゴラフェニブ群での著明な抗腫瘍効果を認めた.レゴラフェニブ群では,病理切片で腫瘍の完全壊死を認めた.レゴラフェニブが骨肉腫において有用であると考えている.
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