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2020 年度 実施状況報告書

モーターアダプターJLPによる染色体安定性の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 20K22803
研究機関金沢大学

研究代表者

鈴木 隆介  金沢大学, がん進展制御研究所, 博士研究員 (70882215)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード染色体異数性 / 細胞分裂
研究実績の概要

染色体異数性は、細胞のがん化やがんの悪性化を促進すると考えられており、これまで染色体異数性を誘導するメカニズムやそれを防ぐ染色体安定性の制御機構について数多く研究がなされてきた。しかし、その詳細については十分な理解に至っていない。本研究では、モーターアダプターJLPに焦点を当て、染色体安定性の制御機構をモーターアダプターという全く新しい視点から解析する。
本年度は、まず、異数性を誘導するにあたりJLPの発現レベルをどの程度亢進させる必要があるか明らかにするため、3種類のプロモーター活性の異なるJLP発現レンチウイルスベクターを作製した。これらを用いてヒト正常二倍体不死化RPE1細胞に遺伝子導入を行い、JLPの発現がそれぞれ2倍、4倍、9倍に亢進した細胞を取得し、染色体数の解析を行った。その結果、これらの細胞すべてで異数性の誘導が認められた。異数性を誘導するメカニズムとして、紡錘体形成チェックポイントの破綻を考えており、JLP発現亢進細胞におけるチェックポイントの活性やその構成分子の細胞内局在について解析を進めている。また、細胞分裂後期における染色体分配異常は、異数性細胞を生み出す主たる要因であることから、分裂期の染色体分配を可視化する目的でRPE1細胞においてレンチウイルスベクターを用いてGFP融合ヒストンH2Bを遺伝子導入し、染色体標識した細胞を作製した。現在、この細胞においてJLPを発現亢進させ、分裂期の染色体動態に与える影響について検討している。さらに、同一の遺伝的背景を持った細胞間での比較を行うため、Tet-onシステムにより外来性JLPの発現を誘導及び調節可能なRPE1細胞の作製に向けて準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、プロモーター活性の異なるJLP発現レンチウイルスベクターを作製し、JLP発現亢進の度合いを調節した細胞での染色体数の解析を行い、異数性の誘導を確認することができた。さらに、次年度に行う、紡錘体形成チェックポイントや分裂期の染色体動態について解析に向けた準備も滞りなく進んでいることから、おおむね順調に進んでいると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後、紡錘体形成チェックポイントや分裂期の染色体動態に着目した解析を行い、JLP発現亢進がどのようにして染色体異数性を誘導するかを明らかにする。また、この結果をもとに、染色体安定性の制御機構におけるJLPの役割を明らかにする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Role of JLP in maintenance of chromosome stability2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木隆介
    • 学会等名
      第79回日本癌学会学術総会
  • [学会発表] Role of the adaptor protein JSAP2 in chromosome stability2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木隆介
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会

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公開日: 2021-12-27  

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