現在でも本邦における悪性腫瘍による死亡のうち5位に位置する肝臓がんの治療において,重要な問題である高い異所性再発率に対する有望な選択肢としてがん免疫療法が挙げられ,我々は遺伝子改変T細胞治療の可能性に着目した.本研究では腫瘍関連抗原の一つであるヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)由来の細胞傷害性T細胞エピトープを認識するT細胞レセプター(TCR)遺伝子を用いてTCR遺伝子改変T細胞(TCR-T)を作成した.作成したTCR-Tについて,培養細胞株,およびhTERTを発現したヒト肝癌由来細胞株を標的とした細胞傷害活性を検証し,そのhTERT特異的な細胞傷害活性を確認した.
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