研究課題/領域番号 |
20K22814
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
久禮 美穂 岡山大学, 大学病院, 医員 (30884647)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | ウイルス療法 / 免疫療法 / 骨軟部腫瘍 |
研究実績の概要 |
化学療法抵抗性や遠隔転移を有する骨軟部肉腫症例は依然として予後不良であり、近年様々な免疫療法が試されているが、治療効果に乏しいことが多く、いかに免疫応答効果を増強するかが新たな鍵となっている。我々は腫瘍融解アデノウイルス(OBP-301)および、OBP-301にがん抑制遺伝子p53を導入したOBP-702を開発し、この腫瘍融解ウイルス療法が免疫原性細胞死をも誘導する現象を捉えている。免疫原性細胞死の誘導により局所療法とされてきたウイルス療法が遠隔転移に対しても有効であるか、腫瘍融解アデノウイルスと抗PD-1抗体との併用療法を行い、確認する。 アデノウイルス感染に必要な細胞表面たんぱくおよびPD-L1、PD-L2の発現を確認した。DAMPsの評価し、免疫原性細胞死の誘導を確認した。 骨肉腫細胞株にルシフェラーゼを導入した。その細胞株を用いて同所モデルを作成し、肺転移した細胞を培養し、繰り返すことで高肺転移株を作成している。現在、肺転移を評価するのに最適な条件を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
covid-19の流行により試薬の入手に時間を要し、進捗が遅延気味である。
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今後の研究の推進方策 |
皮下腫瘍モデルを作成し、p-53搭載腫瘍特異的融解アデノウイルスと抗PD-1抗体の併用療法の抗腫瘍効果を評価する。また、作成した高肺転移株を用いて同所モデルを作成し、併用療法の肺転移への効果を評価し、メカニズムについても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
covid-19流行により試薬や実験物品の調達に時間を要したため実験の進みが遅くなったことおよび、学会出張がなくなり旅費の経費が計上されなかったため。 本年度、実験試薬や物品の納入に使用し、学会出張が可能となれば使用したい。
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