研究課題
骨軟部肉腫において化学療法に抵抗性を示す症例や遠隔転移を有する症例は依然として予後不良であり、新規の治療法が求められている。近年様々な分野で悪性腫瘍に対して免疫療法が試されているが、反応性の乏しい腫瘍もあり、いかに免疫応答効果を増強するかが検討されている。我々は腫瘍融解アデノウイルス(OBP-301)および、OBP-301にがん抑制遺伝子p53を導入したOBP-702を開発し、この腫瘍融解ウイルス療法が免疫原性細胞死をも誘導する現象を捉えている。免疫原性細胞死の誘導により局所療法とされてきたウイルス療法が遠隔転移に対しても有効であるか、腫瘍融解アデノウイルスと抗PD-1抗体との併用療法を行い、確認する。アデノウイルス感染に必要な細胞表面たんぱくおよびPD-L1、PD-L2の発現を確認した。DAMPsの評価し、免疫原性細胞死の誘導を確認した。骨肉腫細胞株にルシフェラーゼを導入した。その細胞株を用いて同所モデルを作成し、肺転移した細胞を培養し、繰り返すことで高肺転移株を作成した。マウスを用いた腫瘍融解アデノウイルスと抗PD-1抗体との併用療法の治療実験を計画している。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
Cancer Immunology, Immunotherapy
巻: 70 ページ: 1405~1417
10.1007/s00262-020-02774-7